神戸学院生が阿蘇を応援するブログ

熊本地震ボランティアをきっかけに始まった取材活動

突撃インタビュー3 家入書店さん

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素敵な店主の家入さん


 取材原稿 三村文佳 栄養学部2年次生

  家入書店は阿蘇門前商店街の一番奥にある小さな書店で、他の店とは一味違うゆったりと落ち着いた時間が流れており、本が好きである気持ちを大切にされているとても優しい店主の家入桂子さんが温かく迎え入れてくれる。主に郷土・阿蘇の書籍や古書を販売しているがその他にも絵ハガキお手玉紙風船が並ぶ。今の店主は三代目だ。創業は大正12年でその頃は教科書を多く取り扱っていた。小さな書店であるため、住民との情報交換が盛んなことや近所の高齢者の家に本を配るといったことが魅力的だ。

 熊本地震の被害は店舗を建て替えてすぐだった為、物が倒れる程度で済んだそうだが、病院に行く事と食べ物の調達には困ったとおっしゃっていた。この状況の中で食べ物は近所の農家の方が食料をくださったのがとてもありがたかった。家入書店の目に見える被害は少なかった。話の中で、阿蘇の目に見えない被害はとてつもなく大きなものということを知った。地震直後、遠くからの応援や、現地に来てくれた人々に救われたという。店は角に建っているため道を尋ねられることが多いので、明るく元気に店を営業し、感謝を伝えるとともに、復興に向けて何かを変えていきたいと語られた。

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            お店構え

 阿蘇の好きなところは日本では珍しいカルデラを初めとする山々や大自然阿蘇神社を中心とした氏神、豊かな地下水とのことだ。水基の地下水は阿蘇山からの恵みで、主に家庭用として用いられており、町おこしになったという。カルデラとは普通の火口よりも大きい円形の陥没地のことであり、私も山の上からその地を見下ろした感動が今でも忘れられない。雄大で美しいカルデラをまた見に来たいと思う人は数知れないと思う。自然の力はとても素晴らしく阿蘇は日本の誇りであると感じた。カルデラの地形の上に広がる広大な草原は独自の景観を生みだし多様な動植物の生息・生育の場となっており人の手が入らないと藪や森になってしまうので野焼きを古くから行い、維持されてきたものだということを初めて知った。

  店主は老人や身体の不自由な方にも楽しく生活して欲しい、観光地としてだけでなく生活しやすい街づくりを望まれていた。若者と会話するだけでも気持ちが明るくなったと喜んでいただけたので、阿蘇の復興には若者の力は欠かせないものだということを強く感じた。

 この素敵な阿蘇で優しく温かい店主と時間を忘れておしゃべりしながらゆっくりと店内を楽しんで、阿蘇ならではの素敵な地形での雄大な自然の中で天然の恵みを全身で感じながら、ゆったりと落ち着いた格別な時間が流れる家入書店にぜひ足を運んでほしい。

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  家入書店

 熊本県阿蘇市一の宮町宮地160

 TEL0967-22-0568