神戸学院生が阿蘇を応援するブログ

熊本地震ボランティアをきっかけに始まった取材活動

突撃インタビュー5 La ZONEさん

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店主の吉田さんと学生記者たち

 

取材原稿 大西 祐実 人文学部2年次生

 門前町商店街を抜けると、少し人通りの落ち着いた道に出る。そこで一風変わった雰囲気を醸し出す店が、シャツの専門店La ZONEである。店内に所狭しと並べられたシャツは、全て店主の吉田義貴さんの手作りだ。生地にこだわり、着心地や機能性を追及した吉田さんのシャツは、世代を超えて愛されている。店内に訪れるお客さんは、ふと足を止めて入ってくる人や、このブランドのファンである方など、様々だ。どのお客さんも目を輝かせ、吉田さんのアドバイスを聞きながらシャツを手に取っていた。シャツの魅力や可能性に、改めて気づかされるのだと思う。現在、神戸元町セレクトショップが代理店を務め、京都、大阪でも販売展開をしているという。

 

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              思わず手に取ってみたくなる

 吉田さんは、自身のシャツブランド「TRAILER」(メンズ)、「gogaku」(レディース)を引っ提げ、2014年に神戸から阿蘇に移住し、本店をオープンした。以前に観光で阿蘇に来た際、阿蘇の自然や大きな空に惚れ込んだという。「空が大きい。ここは仕事に最適やな、どうでもいいことが聞こえなさそうやな、と思って」「今後、海外に進出した時に、自分のブランドの背後に雄大なストーリーが欲しかった」。吉田さんの口から語られる言葉を拾っていくと、唯一無二のシャツを作る強烈な個性や、華やかな感性を感じ取れる。

 元バーテンであり、元喫茶店の店長であり、元バンドマンであり、元役者の卵である吉田さんの人生は、実に壮大だ。どれも器用にこなしてきたが、全て中途半端だったという。「突きつめることがめんどくて、言い訳をつけとった。思いっ切りがなかったことが20代の反省」。ある日の夜、酒に酔いながら、大好きなシャツを洗って干していた。「シャツってええなあ」、ふと呟いたとき、心の中に聞こえてきたのは「ほな作れや」という声だった。間違いなくはっきりと聞こえた自分の声に突き動かされ、次の日から独学で製法を勉強し、3年でブランドを立ち上げた。

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古い外国の映画みたい

 失敗を繰り返し、何千着とシャツを縫い、そして2010年、アートイベントにシャツを出展したことがきっかけでお客さんが付いた。そこから全国各地からオファーが来るようになり、今や全国にファンを持つシャツブランドになった。「人間、ひとつに絞れば何にでもなれるよ。思いっきり突き詰めれば」「30代になればわかるよ。人生の見え方とか景色とかが変わる感覚があると思う」。私はお話を伺いながら、大人の風格と子どもっぽさが同居しているような吉田さんの雰囲気に、不思議な感覚を得た。

 吉田さんの人生が詰まった店内の、阿蘇の自然に溶け込む、神戸生まれのハイセンスなシャツたち。吉田さんは、シャツ屋になったことと阿蘇に住んでいることに、心から幸せを感じているとおっしゃっていた。「夢は叶えることよりも、叶え続けることの方が難しい」。今もすでに商店街界隈でも頭角を表している店ではあるが、まだまだこれからだという。阿蘇に来たときには、世界に進出していくであろう吉田さんとそのシャツたちに会いに、La ZONEにぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。 

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 La ZONE

  熊本県阿蘇市一の宮町宮地3185

  TEL050-3481-7684