突撃インタビュー13 阿蘇神社
取材原稿 法学部 2年次生 八木彩花
お忙しい中、取材に応じていただいたのは阿蘇神社広報担当の池浦秀隆さんである。
熊本地震は大きな地震が二度あった。4月14日と16日である。
一度目の地震では阿蘇神社は特に被害はなく、大きな被害に遭ったのは二度目の地震だった。阿蘇神社までの道路状況が悪く、池浦さんが地震後阿蘇神社に出勤したのは17日の朝だった。
当時、メディアが阿蘇神社を大きく取り上げており、神社に実際に訪れるまでは、情報をテレビから取得していたそう。その時、テレビに映される阿蘇神社を見て、「大きな喪失感を感じた」とおっしゃった。
池浦さんは地震で困ったことのひとつに<情報の拡散力>を上げた。
「マスコミ報道による神社への支援の増大はありがたい話で本当に感謝しているが、震災当時はその大きすぎる支援を受け止められなくなった」
池浦さんは、情報の発信の仕方は難しかったとおっしゃった。
神社の存在意義を知ろう
そんな混乱の中、阿蘇神社が大切にしていることがある。
神社の存在意義を守ることだ。
参拝は神社にとって大事な役割だ。
神社はひとびとの心の拠り所で、大切な信仰の場である。
そこで阿蘇神社は震災後、すぐに簡易の参拝所を用意し、参拝者の受け入れを行った。
驚くことに、震災翌日から参拝が始まったという。
そして、建物の復旧をしながらも、ずっと神社の役割を果たし続ける。
本殿を含め、まだ工事中の建物がたくさんあったが、たくさんの参拝客がおられた。
震災後、復興を続ける阿蘇神社。
文化的にも歴史的にも大きな役割を持つ日本が誇る信仰の場所だ。
信仰が希薄になったといわれる若者文化の中で、あらためてその力を体感するためにも、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
震災の復興の中にこそ、力強く伝わるものがあると思う。