神戸学院生が阿蘇を応援するブログ

熊本地震ボランティアをきっかけに始まった取材活動

突撃インタビュー8 はなびし さん

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        笹田社長さんと学生記者

 

取材原稿 頃安 祐菜 栄養学部2年次生 

 阿蘇神社から徒歩数分、水基と和風な表玄関が特徴のはなびしにお伺いした。観光客向けのはなびしでは、郷土料理であるだご汁、野菜の具がたっぷりと詰まったいなり、そば、赤牛カレーなどのメニューがある。メニューを提供する際、郷土の野菜を使用することや、おふくろの味を崩さないようにすることを大切にされている。中でもイチ押しなのが、「あか牛重」である。阿蘇産「あか牛」と自家製米を使用し考案された。あか牛の他にはない変わった食べ方を提供することで、あか牛のおいしさを観光客の人々に知ってもらいたいという。そのあか牛重にのせられた赤い身を衣で覆ったお肉は、インターネット上の口コミでも評価が高く、たくさんの人が食べに足を運ぶ。

 現社長は二代目。少し強面な印象を受けたが、それを感じさせないほどのとても気さくで思いやりのある方だった。かつての一代目社長は、内装業を行っていたという。そのためか、建物や街並みに思い入れが強い。自然の少なかった商店街に木を植えたのも現社長だ。今では木々と商店街が調和した豊かな風景となっている。人工さを感じさせない木々の並びは、人々に癒しさえも与え、とても落ち着く場所となっている。

 店前には水基があり水がわいている。それもまた趣深い。阿蘇の人々は、主に生活用水として使用される水と深くかかわりを持っている。開店当時に店から水がわいた時、その喜びで宴会を行ったほどだと話されていた。

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         趣のある店構え

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入口にある水基

 現時点ではなびしさんは移転を進めている。一見普通に見える店内も、熊本地震を経験し、当時は座敷の柱にひびが入ってしまったこと、GW前に仕込んでいた商品が使えなくなってしまったこと、電気が通らなくなったことなどの非常事態に陥ったという。それでも地震後3週間かけて運営を再開させた。現在、震災で人の流れが変化し、商店街自体が寂しくなってしまったことや大型店が地方へどんどん進出してくるなど、お話を聞いて大変さを知った一方、前向きな姿勢を持ちながら過ごされていることが分かった。

 今後は、阿蘇に来る多くの観光客に来店したいと選ばれるような場所へと、もっと質を上げていきたいという。社長をはじめとするたくさんの従業員の方々とともに、観光客の為の食事処としてますます発展していくのだろう。

 また、社長から学生に向けてメッセージをいただいた。それは「やりたいことをやればいい」というもの。普段私たちはSNS、本、インターネットなどのたくさんの媒体から情報を得ている。その影響を大いに受けすぎ、頭で考え「どうせだめだろう」と思いがち。失敗も経験からである、心で感じたことを行動して考えてほしい、それを伝えたいとおっしゃっていた。店がどんどん進化していくのは、社長がこのような考えをお持ちだからなのではないか、とも受け取れた。

 はなびしは、阿蘇へ行く皆さんに是非立ち寄ってほしい場所である。そしてぜひ、あか牛を味わっていただき、他の方々へと広まればいいなと思う。

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社長さんとともに

阿蘇 一の宮 郷土料理 そば処 はなびし

熊本県阿蘇市一の宮町宮地1859

TEL0967-22-0896