神戸学院生が阿蘇を応援するブログ

熊本地震ボランティアをきっかけに始まった取材活動

突撃インタビュー9 みやがわ時計店さん



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アンティークな柱時計がたくさん

取材原稿 栄養学部生(匿名希望)

  阿蘇神社門前町商店街の中で最も阿蘇神社の近くに位置するのが、みやがわ時計店だ。主に古時計の販売、修理を行い、地元の焼き物も販売している。店は木を使ってデザインされたお洒落な外観。一歩店内に入ると、時計のチクタクという心地よい音が響き渡り、目の前には壁一面に並べられたアンティークな柱時計が広がる。

 0分、30分など一定の時間になるたび、ボーンボーンといった振り子の音、鳩時計の鳩の鳴き声など、それぞれの時計の音が響き渡る。少し昔の時代にタイムスリップしたような、レトロで落ち着いた居心地の良い空間。店内の写真を撮影してSNSにアップするお客さんが多いというのも共感できる。数ある商品の中でも、宮川さんがイチ押しするのが“姫達磨”。小ぶりで丸みを帯びた可愛らしいレトロなデザインの姫達磨は、女の子向けの時計で、数が少なく希少価値が高いそう。たまたまその場にいらした常連のお客さんも「可愛らしいね」とおっしゃっていた。

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     時計の修理をする宮川さん

 みやがわ時計店は昭和25年創業。現在の店主、宮川幸二さんは二代目である。宮川さんが店をやっていく上で一番大切にしていることは、人と人との繋がり。ただ品物を売るのではなく、「人」を売るのだという。

 その言葉の通り、明るく気さくでとても話しやすい宮川さんは人とのコミュニケーションを大切にされているように感じた。店内の中央には大きなテーブルがあり、お客さんとゆっくりお話しできるスペースとなっている。そんな信念はお客さんに伝わっているようで、一度店に来たお客さんは必ずまた来店されるそうだ。

 昔は地元のお客さんでにぎわっていた店だが、近くに大型店が増えたことにより客数が激減した。大型店は新しい時計を安く売りお客さんを獲得しているから、大型店との違いをだすためにと古時計の販売を始めた。その頃から店の様子が知らないうちに旅行雑誌に掲載されることが増えたり、SNSにアップされた店内の写真を見て訪れる方が増えたりと、徐々に客数が増えはじめた。昔のにぎわいとの違いは、地元の方よりも国内外からの観光客が中心だという点。そのため、現在は外国からの観光客をターゲットにしようと、外国人向けの品揃えや通訳について考えている。

 熊本地震の際、壁一面の柱時計はひとつも落ちることなく無事だった。焼き物が少し割れた程度で、建物の被害はほとんど無かったという。しかし、震災とその後に起こった阿蘇山の噴火も重なりお客さんは減ってしまった。それでも、商店街の全員で何度も話し合いを重ね、国道57号線やJRが開通するまで力を合わせて頑張っていこうと前向きに考えられているそうだ。

 阿蘇の良いところは、大自然の草原、ススキの景色だと宮川さんはおっしゃっていた。阿蘇雄大な自然で日常を忘れ、ゆったりとした温かい時間の流れるみやがわ時計店に、ぜひ立ち寄ってほしい。

 

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    宮川さん、お店の前で

 みやがわ時計店

 熊本県阿蘇市一の宮町宮地1865

 TEL:0967-22-0265